目次
公式ラインアカウントにて毎月実施している100%企画。メイクアップアーティスト寺長根愛が、皆様から頂いたご質問全てにお答えするという企画です。今日はこちらのご質問をご紹介しましょう。
Question
今年に入ってから癌宣告を受け、手術、抗がん剤治療へと進んでいます。
肌がくすみ、そしてきっとこれから、眉毛やまつ毛も脱毛するんだろうなと思っています。
マスクで眉、まつ毛が無いのは大変!ということで、とりあえず付けまつげを買って、眉毛は皮膚科でアートメイクを入れました。
抗癌剤治療中でも健康的に見えるメイク法を教えてください!
《オーダーメイドコスメSTORE OPEN!》
Answer
まずは何より1日も早い治癒を願っております。心身ともに起伏のある日々かと思いますが、元気がある時は、メイクの練習・研究、いつもと違う色を使ってみたりして、楽しみながら気分転換もしてくださいね。
私自身もかつて、がん闘病経験があることから、同じように病気によって美容面でお悩みを抱えている方の相談にも乗っています。個別にメイクレッスンも可能ですので、お悩みの方はご一報くださいね。
抗がん剤治療によって現れる副作用等の状況・程度は、個人差がありますので、このアドバイスが全ての方にあてはまるわけではありませんが、少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、お答えして参ります!
まずは、お肌の保湿を徹底する
これは最重要事項と言っても過言ではないかもしれません。治療中の方で「肌がガサガサになってしまった」「とにかく乾燥してカサカサ」と仰る方は少なくありません。もちろん治療はずっと続くわけではないので、治療が終了すれば、基本的には肌の状態も元に戻っていくのですが、治療中の乾燥しがちな肌というのは、それだけ外部からの刺激を受けやすくなっている状態とも言えます。
乾燥している肌に紫外線が当たれば、シミができやすかったり、シワもできやすくなってしまいます。そうなると、治療後も肌の状態が戻らない…となってしまうことも。治療後にきちんと元の状態に戻れるよう、治療中のお肌の保湿をしっかり行っておくことはとっても大事です。
ベースメイクは多少厚塗りになってしまったとしても、カバーリングに重点を置く
治療中のお肌の状態には個人差がありますが、やはり多いのが「とにかく肌色がくすむ」というお悩み。シミが濃くなったと感じる方もいれば、クマが濃くなったという方もいます。
このような変化が現れると、どうしても疲れてみえたり、老けてみえてしまったりする原因になるので、ここはしっかりとベースメイクでカバーしたいところです。
個人的な意見ではありますが、このような場合は、何よりも「カバーすること」に重点を置いてベースメイクをするべきだと、私は思います。もちろん、必要以上に厚塗りするわけではありませんが、くすみやシミ、クマがちゃんと隠れるベースメイクを心がけましょう。
普段は全然メイクしていないという方や、ベースメイクは3分で済ませていたという方にとっては、ちょっと面倒かもしれません。体調が優れない時は無理をする必要はありませんが、体調に余裕がある時は、ぜひベースメイクに時間をかけてみてくださいね。
ちなみに、コントロールカラーを使う場合は、イエロー系orピンク系を選ぶようにしましょう。パープルやグリーン、ブルー系のコントロールカラーを選ぶと、より血色の悪い感じになってしまうことがあるので要注意です。
また、パウダーファンデーションを使うと、お肌のカサカサ感が増長されてしまうこともあるので、カバー力のあるリキッドファンデーション、もしくはクリームファンデーションを使うようにしましょう。
フェイスパウダーはパールが入っているものは避け、お肌を柔らかく見せてくれるマットな質感のものを選びましょう。パールが入っていると、骨格が強調されるので、顔が痩せてしまった方には不向きです。
脱毛してしまった眉メイクで気をつけること
次に眉メイクについてです。眉毛が脱毛してしまうと道標がなくなり、形が分からなくなってしまうので、ご質問者様のように、抜けてしまう前から手を打っておくのが大事なポイントです。
アートメイクを入れるのも一つの方法ですし、2週間くらい着色効果が続くティントタイプの眉墨を使うのもオススメです。脱毛する前から時々ティントで描いておくと、脱毛が進んでも元の眉の形が残るので、眉メイクがしやすくなります。
最近はドラッグストアでもこのような商品が売られていますので、ぜひチェックしてみてください。ただし、色は薄い色を選ぶようにしましょう。あくまでも、元の眉の形の目安を残すためなので、メイクをする時には、それを元に眉メイクを仕上げるようにしてください(ティントだけで終わらせない)。
アイブロウペンシルで描いたら、必ずアイブロウパウダーを乗せるようにしましょう。ペンシルで描いただけだと、毛が無いツルッと感が残ってしまいますが、パウダーを乗せることで質感がマットになり、毛の無いツルッと感が目立たなくなります。
まつ毛だけじゃなく色のコントラストも大事
続いてアイメイク。まつ毛が抜けてしまったことへのショックが大きいと、どうしてもそこばかりに執着しがちですが、まつ毛だけではなく、色のコントラストを付けることも大事なポイントになってきます。
治療中に限らず、人はどうしても年齢を重ねると、顔の中に存在する色のコントラストが薄くなっていきます。若い頃は「白い肌」と「黒い瞳」、「淀みのない真っ白な白目」と「黒い瞳」、「白い肌」と「血色の良い唇」というように、色と色の差異がちゃんとあることで、健康的で若々しい印象に見えていたのです。
しかし、加齢とともに、その色のコントラストは無くなってしまいます。肌はくすみ、白目も淀み、唇も茶色く…まるでセピア色のフィルターでもかけたかのように…さらに治療中はそのフィルターがより濃くなってしまったかのようになりがちなので、メイクによってコントラストを復活させることが大事なポイントとなります。
ベースメイクにおいて、肌のくすみをカバーできていれば第一段階クリア。さらにアイメイクによって、白目をより白く、黒目をより生き生きと見せていきましょう。そのために必要なのは、暗くて濃い色のアイシャドウです。ブラック、ネイビーは特にオススメ。ブラウンやモスグリーンでもいいですが、乗せる量が少ないと、まぶたのくすみに見えてしまうことがあるので、かえって難しい色です。
ブラックやネイビーのアイシャドウを目の際に使うことで、顔の中にコントラストが生まれ、肌のくすみもより軽減して見えます。もちろんアイラインも欠かさずに。
そして、付けまつげは必須と言ってもいいくらい、お役立ちアイテムです。上手に付けられるようになるまで練習は必要ですが、一度コツを掴むと、ビューラーやマスカラを塗るより楽に感じたりもするので、ぜひ練習してみてくださいね。ハリのある硬い付けまつげではなく、形を自由に変形させられるくらいの柔らかいタイプの付け睫を使いましょう。
チークは血色感・ハリ感を重視して
チークの入れ方は様々な方法がありますが、今回の場合は、血色感・ハリ感をチークで足していくように意識していきましょう。斜めに入れてシャープに見せたりするのではなく、あくまでも若々しい健康的なイメージに見えるように。入れる場所は…分かりやすく言うと、アンパンマンと同じで大丈夫です←他の例えが思いつかず笑。色は濃くしすぎないように!
できればリップも省かない方がベスト
メイクの仕上がりを優先して考えるなら、唇の色を健康的に見せることで、顔のコントラストがより復活してくれるので、できれば省きたくないところ。ヌーディーな色ではなく、血色感を感じる色味を選び、ほんのりツヤもあると尚良し。ただし、マスクをする場合は、あまり濃い色やツヤのあるものは付けにくいので、その時のシチュエーションに合わせて調整していきましょう。
ハイライトは必須・シェーディングは省いてよし
お顔全体のイメージを明るく見せるためにも、目の下や鼻筋、額の真ん中に、ハイライトを使っていきましょう。真っ白ではなく、ややベージュがかった、パールの入っていないハイライトを選んでくださいね。シェーディングは、顔に影を増やさないためにも、あえて省いてください
▶︎マスク選びも肌の見え方に大きく影響します!
マスクメイクは目元から!映える&崩れないアイメイクとカラーコーデのポイント。
マスクメイクでファンデーションは必要?マスクでも崩れないベースメイクのポイント。
「Ai TERANAGANE」公式ONLINE STORE
コラムの筆者、寺長根愛がプロデュースするオリジナルブランド「Ai TERANAGANE」公式ストア。オリジナルブランド「Ai TERANAGANE」の他、寺長根がセレクトしたおすすめメイクアイテムやスキンケアシリーズを取り揃えています。
「Ai TERANAGANE」各商品ページは以下をクリック。AI TERANAGANE(寺長根愛)
札幌を拠点に活動するメイクアップアーティスト。
2006.4月にメイクサロン&スクール「AiLOGIC」を設立。その後、2014.4月より「Ai TERANAGANE make up studio」としてリニューアル。
同時に、コスメブランド「Ai TERANAGANE」を立ち上げる。
スタジオ運営の他に、テレビ・映画・雑誌・CM等のヘアメイクも多数担当。芸能人・タレントなどのヘアメイクも手掛ける。専門学校や各種企業にてメイク講師を勤める傍ら、メイクセミナーやイベントなどの主催も行う。活動拠点である札幌以外に、日本国内主要都市及びロサンゼルス、サンフランシスコ、シンガポールでもセミナーやイベントを開催。学生や後輩を育成し、業界を盛り上げていくためのイベント企画も行い、ブライダル業務や化粧品開発、コラム&メルマガ執筆等、多岐に渡って活動中。
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