それは、
「メイクが楽しくなってきた時に、陥りやすい落とし穴」です。
日頃、メイクの個人レッスン、グループレッスン、
セミナーなどを行い、
どんどんメイクが楽しく感じてくる人を
目の当たりにして見ていると、
多くの方が通る、ある通過点があります。
それは、「必ず一度は、やりすぎてしまう時期がある」
ということです。
もともとあまりメイクが得意ではなかったけれど、
習ってみると楽しくなってきて、
どんどん興味が湧いて、コスメもたくさん欲しくなる。
得た知識は全て試してみたいし、
メイク時間もどんどんかかるようになってくる。
そして、陥ってしまうのが、
「不要なことをやり過ぎてしまうメイク」です。
しかし、それがダメであるとは、一概に言えません。
メイクに限らず、何事も、上達していく道のりの中で、
組み立てたものを、一度壊して、
それをまた積み重ねながら進んで行くもの。
勉強して勉強して、一度、too much になってから、
ちょうどよく戻せばいいのです。
さて、具体的なお話に戻りましょう。
例えば、シェーディング。
鼻筋に影を入れたり、フェイスラインに影を入れたりする、
シェーディングです。
このテクニックを覚えると、
どうしてもやりすぎてしまう人は、少なくありません。
顔を小さく見せたい、鼻を高く見せたいという思いから、
影を入れすぎてしまうのです。
でも、これをしすぎると、
やっぱり不自然でおかしくなってしまうんです。
自分だけで見ていると、
ちょうどいい具合が分からなくなってくるのですよね。
チェックすべきは、横顔です。
明るい場所で、横顔の写真を撮ってもらってみて下さい。
そのときに、鼻筋の影や、フェイスラインの影が、
不自然な感じになっていないか、チェックしてみて下さい。
そして、付けまつげや、まつげエクステ。
これも、慣れてきた頃に楽しくなってきて、
どんどん派手になっていく人を、よく見かけます。
「もっともっと・・・」というように、
自分の中で、どんどん許容範囲が広がって行ってしまうのです。
目元のメイクを派手にしないトレンドが主流の今、
あまりにまつ毛がバサバサだと、
どこか古めかしくみえたり、不自然な印象になってしまいます。
ポイントとしては、
「生まれつきフサフサなんだね！」と言われるくらいの程度。
そのくらいが、今の時代にはちょうどよいでしょう。
その他、チークの濃さや、アイラインの太さ、
キラキラ光具合など。
そういえばメイクをし始めた時に比べると、
どんどん濃くなり、
太くなり、
キラキラがギラギラになっているかも・・・
そんなふうに思い当たる方は、
もしかしたら、
今のメイクは too much になっている時なのかもしれません。
そうなのであれば、次は、余計なものを削ぎ落とし、
洗練させていく段階に入ります。
このメイクが本当に似合っているのか？
やりすぎていないか？
改めて自分を見つめることで、
より品のある完成度の高い自分になっていくのです。
知識や技術を得ていく。
いつしかそれがtoo much になる。
そうしたら、削ぎ落として洗練させていく。
その、繰り返しなのです。
自分をより深く知っていくためには、
避けて通れない道なのかもしれません。
躊躇ばかりして、保守的なまま生きて、
too much な段階にも達さないでいるより、全然いい。
と、私は思います。
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