ピンクやオレンジのアイシャドウは塗らない。
疲れた顔に見えるから、
ブラウンは使わない。
派手に見えそうだから、
ブルーやグリーン、パープルは使わない。
どうせ滲むから、
アイラインは引かない。
マスカラは塗らない。
どうせ取れるから、
口紅は塗らない。
グロスも塗らない。
そうやって、小さなリスクを剥ぎ落としていくと、
じゃあ結局のところ、
メイクはしないってこと？となります。
美しくなることの努力を放棄することで、
確かに、楽になる部分もあると思います。
しかし、自分自身が気になっているちょっとしたことって、
本当に本当に、小ーーーーさなことだったりします。
それを理由にメイクの楽しさを放棄するのは、もったいない。
自分だけの、たった一人だけの、
小さな小さな視野の中で善し悪しを判断して、
小さな小さな世界の中で一喜一憂して。
それがいけないとは言わない。
でも、そんな小さなこと、
他人は見ていない、他人は気にしていない。
そういうことって、多々ありませんか？
そんな小さなシミ、全く他人は気付かない。
あなたが、顔から５センチのところで
ジッと手鏡をのぞき込んで見つけた小さな「それ」は、
たぶん他人はほとんど気付かない。
まぶたが腫れぼったい？
それは自分でそう感じているだけかもしれない。
目が小さい？
それも自分でそう感じているだけかもしれない。
そして、目が小さいことの何がいけないとでも？
青が派手？緑が派手？
たしかに。でも、だから？
ブラウンを使うと疲れて見える？
それも自分でそう感じているだけかもしれない。
どうせ滲むから、
アイラインは引かない。
マスカラは塗らない。
違います。
滲まないように工夫するのです。
どうせ取れるから、
口紅は塗らない。
グロスも塗らない。
口紅やグロスが取れるのは仕方ないのです。
取れたらまた塗るのです。それだけです。
どうせ食べたら一緒だからと、
食材に全く味付けをしないのと同じになってしまわないように。
どうせ着ていればいいのだからと、
毎日同じ服を、適当に着ているだけになってしまわないように。
どうせ○○だから という思考回路が、
人間の生命活動をつまらないものにしていまっている。
美しくなろうという女性の行動、願望は、
大事な生命活動であり生理現象です。
今日は漠然としたテーマかもしれませんが、
伝えたいことは、ひとつ。
自分１人だけの、つまらない小さな視野の中で善し悪しを判断し、
もっと美しく洗練され得るはずなのに、
その可能性を自ら絶ってしまっている人が多い。
そう感じるのです。
私は、「アイロジック」という名前を掲げている通り、
メイク理論の根本にある部分を、
細かく細かく追求することも快感に感じます。
一方で、そういう細かいことを全て取っ払った上で、
ただ「楽しむ」「感じる」それだけに没頭することも快感です。
スタイルをよく見せる為の服を選ぶときの思考回路と、
ただ直感で「着たい」と感じる服を選ぶときの思考回路。
その両方を持ち合わせることが大事であると思うのです。
ぜひ皆さんにも、その両者の感覚を持ち合わせてほしいなと思います。
とことん理論的に美を追求する日と、
とことん感覚的に彩を楽しむ日と。
両方があって、いいのです。
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