目次
先日、こちらのコラムで、昨今は「唇をいかに可愛く見せるか」ということに注力する傾向がある、というお話をしました。
2026年春トレンドメイク【大きな4つのベクトル〜あとは個人の好みで】これまでもツヤリップの流行は何度かありましたので、「うるうる、ツヤツヤ唇ブーム、再び」といった感じでしょうか。
ただ、今のリップメイク需要の高まりは、まさに色んな意味で「今だからこそ」な気がしています。
世の中の動向と、これまでのリップアイテムのトレンド変遷を一緒に見ていくと、よりその傾向がわかるかもしれません。
ということで、今回は、リップアイテムの歴史を、改めて見ていこうと思います。
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リップグロスの歴史
そもそも、リップグロスの誕生は1930年代にまで遡ります。
具体的には、1932年ごろに映画業界向けに開発されたのが始まりとされています(諸説あるはず)。
当時、ハリウッド女優の唇をより魅力的に、立体的に見せるために、マックスファクターによって作られました。
それまでは「口紅(リップスティック)」が中心でしたが、ツヤを出す、ふっくら見せる、立体感を強調するといった目的で、グロスタイプが誕生したのです。
しかし、それから一般市場に広まるまでにはやや時間がかかります。
日本だと、リップグロスが広く浸透したのはさらに遅く、1990年代後半〜2000年代初め頃です。
アムラー現象やギャルブームも手伝って、口紅の上に重ねる透明グロスが大流行しました。これは私もしっかり記憶に残っております。
それからというもの、ツヤリップとマットリップの流行を交互に繰り返しており、それぞれのトレンドが訪れるたびに、質感の幅が広がり、アップデートされていっている印象です。
コロナ禍〜コロナ禍明けで大きく変わったリップメイクの立ち位置
そして、このツヤリップが大きく革新を遂げたのは、コロナ禍明けであると、個人的には感じております。
マスク生活が続いたコロナ禍は、「マスクに付かない」リップがもてはやされ、もはやリップメイクを省いていた方も多いのではないかと思います。
しかし、マスクをはずしても良いとなったとき、各メーカーから一気にたくさんの新しいリップアイテムが登場。
リップグロスだけでなく、もう少しテクスチャーが柔らかく、ベタつきをおさえたリップオイルも流行し、ツヤを出すだけでなく、リップケアも同時に行えるようなアイテムもたくさん出てきました。
マスクはずせる!リップメイク!!!という流れが、ツヤリップ再流行を加速させたイメージです。
技術革新+ユーザーの意識の変化が今のリップトレンドを作っている
コロナ禍以前は、リップグロスは口紅の上に重ねてツヤを出すもの、という位置付けでした。
しかしコロナ禍明けから、技術の向上もあり、それひとつでリップメイクが完成するような、着色と艶感を両方叶えてくれるグロスアイテムが増えています。
そして、コロナ禍明け以降のリップメイクアイテム、技術の革新の流れは、今でも続いていると、個人的には思っています。
たぶんそれは、供給側の技術革新だけでなく、「唇をもっと可愛く」「唇をもっとどうにか」という需要側の探求も深まっているからなのかもしれません。
これは、唇の美容整形に興味を持つ方が増えたり、唇にアートメイクを入れたりと、メイクやコスメだけに留まらない、リップのアップデート法が台頭していることからも見て取れます。
このように、様々な要素が重なって、今の多様で優秀なリップメイクアイテムが生まれているのかな、と思います。
とはいえリップメイクは昔から大切なもの
もちろん、リップメイクはグロス誕生以前から、メイクにおいて重要な立ち位置を占めています。
メイク全般に言えることかもしれませんが、それは外見を整えるだけでなく、内面も整えるもの。
日本には「紅を差す」という言葉があります。
これは、単純にメイクの仕上げ、というだけではなくて、いわゆる「儀式」の意味合いを持つんですよね。
花嫁メイクの時によく使われるフレーズの印象ですが、「さぁこれで仕上がったよ、よし、いってらっしゃい」というようなニュアンスを含むというか。
それだけ、口紅を塗る、紅を差すというのは特別な意味を持つ工程なんですよね。
そのニュアンスは今も昔も変わりません。
口紅を塗ると、すっと背筋が伸びるような、「よし、いくか」という気持ちになる。
だからこそ、トレンドに関係なく、「手抜きしない」ことが大事なんです。
毎日紅を差して、静かに「よし」って心の中で唱えましょう。
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AI TERANAGANE(寺長根愛)
札幌を拠点に活動するメイクアップアーティスト。
2006.4月にメイクサロン&スクール「AiLOGIC」を設立。その後、2014.4月より「Ai TERANAGANE make up studio」としてリニューアル。
同時に、コスメブランド「Ai TERANAGANE」を立ち上げる。
スタジオ運営の他に、テレビ・映画・雑誌・CM等のヘアメイクも多数担当。芸能人・タレントなどのヘアメイクも手掛ける。専門学校や各種企業にてメイク講師を勤める傍ら、メイクセミナーやイベントなどの主催も行う。活動拠点である札幌以外に、日本国内主要都市及びロサンゼルス、サンフランシスコ、シンガポールでもセミナーやイベントを開催。学生や後輩を育成し、業界を盛り上げていくためのイベント企画も行い、ブライダル業務や化粧品開発、コラム&メルマガ執筆等、多岐に渡って活動中。
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